徳島の磐座


山崎忌部神社やまざきいんべじんじゃ
徳島県吉野川市山川町忌部山14-8


■忌部一族の「神域」、黒岩磐座遺跡

 阿波という地名は、吉野川流域の 粟国(あわのくに)と那賀 川流域の長国(ながのくに)が大化の改新で合併され、阿波国 となったことに始まる。「三度目の正直」ではな いが、近くまで行きながら、二度とも強い雨にた たられて断念。三度目にやっと相対することがで きた磐座が、阿波国の原郷ともいえる吉野川市の忌部山中腹に所在する。
 麓には式内大社「忌部(いん べ)神社」に比定される山崎 忌部神社が鎮座し、阿波忌部の祖神とされるアメ ノヒワシ(天日鷲命)を祭神としている。さらに 忌部山の高所には、阿波忌部との関係が指摘され る六世紀後半の「忌部山古墳群」が存在し、麓か ら頂上近くまで、まさに阿波忌部の聖地ともいえ る遺跡が点在している。 当社はもともと中腹の黒岩にあり、1396(応永二)年の 大地震により現在地に遷座したと いわれている。黒岩という地名の通り、巨石を神 体とする磐座が存在し、「黒岩磐座遺跡」とよば れている。神名帳によると「忌部神社、名神大、 月次新嘗 、或號麻殖神 (おえのかみ) 、或號 天日 鷲神 (あめのひわしのかみ)」と注記 され、『大日本地名辞書』には、「神祇志料(じんぎしりょう)云、 今山崎村忌部山にあり、阿波忌部の祖神、天日鷲 神を祀る」と記されている。
(『磐座百選』より一部抜粋)





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